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1-①核兵器廃絶について(2017年3月議会代表質問)

1.市長の政治姿勢について   

 ① 核兵器廃絶について

土屋とものり:市長の政治姿勢について、核兵器廃絶について質問します。

 2月12日午前、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射しました。

 国際平和に深刻な脅威を及ぼす行為であり、国連安保理決議に違反する暴挙を厳しく非難し、抗議するものです。

 同時に、北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を迫ることが必要です。

 北朝鮮に対して、アメリカのオバマ前政権時代は「戦略的忍耐」の方針を取り、経済制裁とともに外交交渉には応じないという態度を取ってきました。

 しかし、その8年間に北朝鮮は核兵器・ミサイル開発をどんどん進めてしまいました。

 したがって、従来通りの方針では、北朝鮮の危険な動向を封じることができず、新たな方針が必要な重大な分かれ道に来ていると言えます。

 ところが、トランプ新大統領は、「米国が保持する核弾頭について世界一を目指す」と発言し、軍事費を増やすだけでなく、北朝鮮への軍事対応強化も辞さないことをほのめかしています。

 

 軍事力行使で対応すれば、朝鮮半島が戦場になり、北東アジアに広がるという危険な状態となりかねません。

 国際社会が一致団結して経済制裁の厳格な実施・強化を図るとともに、6ヵ国協議の場に北朝鮮の出席を促し、外交交渉に踏み切ることが求められます。

 外交交渉の中で北朝鮮に非核化を迫り、核・ミサイル開発を放棄させることが重要かつ無二の方針であると思料するものです。

 以上について、市長のご所見をお示しください。

 

 次に、全世界から核兵器を廃絶するために、国連で始まる核兵器禁止条約の交渉を成功させることが重要です。

 昨年12月23日の国連総会で、核兵器禁止条約締結の交渉を開始するよう求める決議が賛成113カ国の、圧倒的多数で採択されました。

 米国は核兵器禁止条約締結への動きを激しく非難し、同盟国に「反対」するよう求める書簡を配布しました。

 世界で唯一の被爆国でありながら、日本政府は「反対」票を投じ、核兵器廃絶を願う国々から落胆され、「アメリカの圧力に屈したのではないか」の声が国内外から上がりました。

 次いで、2月16日、ニューヨークの国連本部で、3月からの条約交渉会議にむけた準備会合が開催され、議題や日程などを大筋で決定しました。

 中国など、諸国の代表が参加する一方、米ロ英仏の核保有国、日本などは欠席しています。

 核保有5大国のうち米国、ロシアは反対の立場から交渉会議には参加しない意向を示し、唯一の被爆国である日本は「核保有国が参加しない条約は核軍縮につながらない」と主張し、交渉会議に出るかどうか決めかねています。

 核兵器の廃絶には、被爆国である日本のリーダーシップが欠かせません。

 今こそ、日本政府は核兵器禁止条約の交渉会議に参加することを公式に表明すること、交渉の場において、被爆の実相を元に核兵器の非人道性を強く訴え、禁止条約を早期に締結することに積極的に貢献するべきです。

 市長は、被爆県民の悲願を伝え、日本が積極的に会議に出席するよう、国に対して強く働きかけることを求めるものです。

 

 また、被爆県内の自治体の役割は重要です。

 

 福山市庁舎内や各支所で、核兵器廃絶署名に取り組み、圧倒的多数の市民世論を国内外に示すことを求めるものです。

 

 以上についてのご所見をお示しください。

 

答弁(市長) 日本共産党を代表されました土屋議員のご質問にお答えいたします。

 初めに、核兵器廃絶についてであります。

 国に対しては、引き続き「日本非核宣言自治体協議会」などの活動を通じ、核兵器の廃絶に向けて取り組んでいくよう要望してまいります。

本市におきましては、今後も「平和非核都市福山宣言」の趣旨をふまえ、核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けた諸施策を推進してまいります。

以上

1- ②共謀罪法案(テロ等準備罪法案)について(2017年3月市議会)

1.市長の政治姿勢について   

② 共謀罪法案(テロ等準備罪法案)について

土屋とものり:共謀罪法案(テロ等準備罪法案)についてお伺いします。

 安倍内閣は憲法解釈変更による集団的自衛権の容認を始め、秘密保護法、安全保障関連法を強行するなど、戦争ができる国づくりへひた走っています。

 さらに今国会には、「テロ等準備罪」と名前を改め「共謀罪」の法案提出と成立をもくろんでいます。

 共謀罪は過去3回国会に提出されましたが、国民の反対世論と、国会の審議で問題性が厳しく問われ、3度とも廃案になりました。

 今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を批准し、テロを防ぐために必要だ」と説明していますが、この説明は偽りであることが明らかになりました。

 

 国連広報センターは、テロ防止のための条約として14本の条約を挙げていますが、この14本の条約にTOC条約は含まれておりません。

 

 そもそもTOC条約は、外務省のホームページにも記載されているとおり、マフィアなどによるマネーロンダリングなどの経済犯罪を主眼としたものです。

 一連の国際テロ防止条約とは区別され、普通犯罪に対処する条約に位置づけられています。

 

 また、日本はテロ対策の国際条約をすべて批准し、国内法も全て整備されており、新たな法整備は必要ありません。

 2月28日、「共謀罪」新法案が与党側に示されました。ところがこの法案には、テロの文字さえありません。

 政府は、国民の反対世論を恐れて、対象犯罪件数を676件から277件に絞り込みましたが、名前を変え、対象犯罪数を絞っても、危険な内容に変わりはありません。

 国民を欺いて共謀罪を押し通そうとすることは断じて許されません。

 共謀罪は、現行刑法の原則を突き崩すものです。

 現行では、犯罪は「人の行為が、明記された構成要件に該当し、有害な結果が発生し、当人に責任がある時に成立する」という、実行行為のみを処罰するのが原則です。

 行為も結果もない準備行為を対象とすることは、思想信条の自由を保障した憲法を蹂躙するものです。

 また、政府は「組織的犯罪集団」だけが対象だと言いますが、何の限定にもなりません。

 犯罪集団という定義もなく、取り締まりの対象も際限なく拡大され、捜査当局が国民全体を監視し、多くの冤罪を生み出すことになりかねません。

 このような治安維持法の再来と言われる悪法を、近代社会に蘇らせてはなりません。

 福山市が、市民の自由と民主主義を守る立場から、政府に対して、共謀罪に反対の意思表示をすることを求めるものです。

 ご所見をお示しください。


市長(答弁)次に、組織犯罪処罰法改正案、いわゆるテロ等準備罪法案についてであります。

 この法案については、現在、国会への提出に向けて、政府与党内において議論を行っているところであり、今後法案が提出された際には、国会において十分に議論がなされるものと考えております。

以上

8-②○中学校完全給食の実施について(2017年3月議会代表質問)

8.教育行政について 

 ① ○中学校完全給食の実施について

土屋とものり:次に教育環境整備について、お伺いします。

 中学校完全給食について、今後は、新たに7校を実施するとのことです。

 多くの市民は、「早く全校で中学校給食の実施を」と切望しており、未実施の中学校も早急に実現することが求められます。

 奈良市では、平成24年から、4期に分けて、4年間で、中学校完全給食を実施する「奈良市立中学校給食実施計画」を策定し、計画的に給食室の整備を進める、とのことです。

 また、兵庫県稲美町では、「自校方式」での実施計画を策定しています。本市においても、自校方式を基本にすえた計画を策定し、明らかにすることを求めます。

 次に、給食費について伺います。

 給食の提供は、貧困対策としての効果もあります。

 全国では、無料もしくは、何らかの独自補助を行っている自治体は、417(23.9%)に上っています。

 給食費の免除で、貧困の連鎖を予防することが可能ですが、仮に、本市が、小・中学校の給食費を完全無償とした際の、それぞれの所要額をお答えください。


答弁(教育長) 次に、中学校完全給食の実施についてであります。

 給食費につきましては、学校給食法により、給食のための基本的な費用は、学校の設置者が負担し、食材費等の費用は保護者が負担することとなっております。

 生活困窮等で、給食費の支払いが難しい世帯への対応については、生活保護費や就学援助費として全額給付しております。

 給食費の無償化に伴って必要となる所要額につきましては、市内の全公立小・中学校において完全給食を実施した場合、

小学校分約12億9,700万円

中学校分約 6億7,700万円

合計約19億7,400万円であります。

8-②○教室へのエアコン設置について(2017年3月議会代表質問)

8.教育行政について 

 ② ○教室へのエアコン設置について

土屋とものり:次に、教室へのエアコン設置についてお伺いします

 2月17日の文教経済委員会で、2016年7月の教室の気温は、30℃を超える状態が頻繁に発生したと、報告されました。

 このような暑い気温では、子ども達が落ち着いて勉強できる環境ではありません。

 WBGT指標で、教育委員会が各学校に示している、教室の適正温度は、28℃です。一刻も早く適正な気温における教育環境の整備が必要です。

 これまでの答弁では、設置費用は、約37億円、市の負担は約31億円とのことです。

 早急に普通教室へのエアコンの整備計画をつくることを求めます。

 以上について、お答えください。 


答弁(教育長)

 エアコンの導入につきましては、児童生徒の体温調節機能や暑さ・寒さの適応能力を育むといった視点もあり、成長期にある子どもの健全育成の観点も踏まえる中で、検証する必要があると考えています。

 今後、耐震化の進捗状況や学校の再配置の取組と併せ、事業手法等も含め検討してまいります。

8-① 教職員の多忙化解消の取り組みについて(2017年3月議会代表質問)

8.教育行政について 

 ① 教職員の多忙化解消の取り組みについて

土屋とものり:教育行政について、教職員の多忙化解消の取り組みについて伺います。

 教職員の長時間・過密労働が大きな社会問題になっています。

 2015年度の文科省の「公立学校教職員の人事行政状況調査」では、うつ病などの精神疾患で休職した教員は、5009人と、高止まりの傾向にあります。

 さらに、OECD調査では、日本の教員の勤務時間は参加34カ国・地域の中で最長です。

 このような実態の中、国は、2017年度予算案で、学校現場の業務改善に、前年度比1億円増の、2億3000万円を計上しました。内容は、教員の業務改善に集中的に取り組むモデル地域の指定や、長時間労働是正の啓発、教育委員会の依頼に応じて業務改善アドバイザーを派遣するというものです。

 さらに、超過勤務の大きな要因となっている、部活動に関し、休養日の適切な設定をもとめる通知を発出し、ガイドラインを作成するとしています。

 ところが、学習指導要領の改訂で、今後、小学校では授業時間が増えることになります。

 同時に、2017年度予算では、教職員定数は減らされております。

 これでは、抜本的な解決にはなりません。

 「連合総研」の全国調査では、行事の精選やノー残業・ノー部活動デーといった試みが、必ずしも労働時間の短縮につながっていないことも明らかになっています。 

 多忙化解消のためにも、教員数の増員を図るよう、国に強く要求することを求めます。

 長時間労働を改めるには、福山市教育委員会が、個々の勤務時間を管理することが出発点です。

 ところが、これまでの、度重なる要望や指摘にも関わらず、時間管理は校長任にし、他の自治体のように、個々の教員の勤務実態を把握していません。これは、管理者責任の放棄とも言えるものです。

 教育委員会として、勤務時間を把握するよう強く求めますが、お答えください。

 

 教員の多忙化の根本的な背景には、「公立学校教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)があります。

 教員の仕事は複雑で管理が難しいとして、残業代を払わず、代わりに、基本給の4%を全員に支給する仕組みで、誰にも一律の額を出すため、管理職は勤務時間を把握する義務があるのに、時間管理の必要に迫られない、というものです。

 勤務実態調査では、法が成立した当時と比べ、残業時間は5倍増にも跳ね上がっています。

 国に対し、給特法の見直しを要望することを求めます。

 さらに、市教委が、個々の教員の勤務時間を把握すること、市独自で正規教員を増員することを求めます。

 以上についてお答えください。


答弁(教育長) 次に、「教職員の多忙化解消」の取組についてであります。

 教職員の増員につきましては、国に対し、全国都市教育長協議会や中核市教育長会を通して、要望しているところであります。

 次に、勤務時間の把握についてであります。

 勤務時間につきましては、機械警備開始時刻が一律に全教職員の退校時刻を示すものではありませんが、今年度も含めたこの3年間、小学校は平均で概ね20時、中学校は21時となっております。

 なお、「公立学校教育職員の給与等に関する特別措置法」の見直しについて、国への要望はこれまで行っておらず、今後も考えておりません。

 また、市独自での正規教員の増員は、考えておりませんが、本市では、「学校支援員」や「介助員」、「小中一貰教育推進補助員」や「校務補助員」等の非常勤職員を配置し、児童生徒の個別の支援や教職員の事務的作業の支援を行っております。

7-① リム・ふくやまの運営について(2017年3月議会代表質問)

7.商業施設特別会計について    

 ① リム・ふくやまの運営について

土屋とものり:商業施設特別会計についてリム・ふくやまの運営についてお伺いします。

 2017年度で、福山市が所有するリムふくやまのビルを大和情報サービスに委託して5年になります。

 様々なテナント誘致の努力にも関わらず、現在のテナント数は、46軒であり、開店当初の77%に減少しています。

 館内は、空きテナントを休憩スペースや展示コーナーで代用しており、来客者に広いスペースを持て余した印象を与え、閑散としています。

 さらに、集客力の向上と期待されていた「食のチャレンジショップ」は、3年近く出店者はゼロ件のままです。

 フクビズが一階に開設され、注目度が高まったとは言え、テナント減少には歯止めがかかっていません。

 この事業は、自治体が商業施設を保有し、テナントを転貸するというサブリース契約を行っていますが、全国でもほとんど例がありません。さらに、ビル管理や運営に関わる多くの業務を、一企業に委託した上、再委託や再々委託で、市外業者へ発注するなど、契約のあり方としても、多くの問題を含んでいます。

 これまでの答弁では、市内の中心部から西側の商業環境は「大変厳しい状況にある」との認識が示されてきました。

 当館の運営について、これまで、多額の経費が投入されてきましたが、現状についての認識をお示し下さい。

 次に、今後の対応についてお伺いします。

 当館は32000㎡という、広大な延床面積をもつ商業施設です。

 毎年度の水光熱費や、修繕経費など、維持管理費も多額に上っており、一地方自治体が管理するには、あまりにも身の丈にあっていません。

 そのため、今後のあり方を検討することが必要です。

 これまで中心市街地のまちづくりは、「商業」を中心にしたコンセプトをもとに作られてきました。しかし、今の経済状況では、大規模商店やホテル,マンションなどの誘致といった、呼び込み型の大規模再開発は、とても現状には合わなくなっています。

 福山市内の社会経済資源を生かした、市内経済の発展に資する、内発型の、新しい手法を創出することが、今こそ必要ではないでしょうか。

 市内の中小業者や小規模事業者など、市民の参加で論議と熟議を徹底して積み重ね,知恵を出し合う民主的な仕組みをつくるべきであります。

 その上で、今後、施設の老朽化も見据え,売却・除却も含めた、将来的なあり方を、抜本的に検討することを求めますが、ご所見をお示し下さい。


答弁(市長)

 まず、現状についての認識であります。

 エフピコRiMは、中心市街地の活性化と雇用の創出を目的とし、2013年(平成25年)に大和情報サービス株式会社と定期建物賃貸借 兼 施設運営維持管理業務委託契約を締結し、公共施設と商業施設との複合施設として運営を開始いたしました。

 エフピコRiMのオープン後、郊外に大型商業施設が進出したことや、いわゆるネット通販の利用増加により、開店当初に比べテナント数が減少するなど運営は厳しいものがありますが、館内の公共施設との回遊性を図るための工夫や、短期催事の受入れ、更に事務系オフィスの誘致にも取り組み、収支の均衡を保ちつつ、中心市街地のにぎわい創出に一定の役割を担っているものと認識しております。

 次に、今後のエフピコRiMのあり方についてであります。

 大和情報サービス株式会社との契約期間においては、引き続き公共施設との連携やテナント誘致に工夫をこらすことにより、商業の充実を図ってまいります。

 契約期間終了後の活用については、現在、検討が始まった福山駅前再生の動向や今後の公共施設整備等の状況なども踏まえ、エフピコRiMにどのような機能が求められるのか、広く検討してまいりたいと考えております。

6-③福山の公共交通について(2017年3月議会代表質問)

6.建設水道行政について   

 ③ 福山の公共交通について

土屋とものり:福山の公共交通について、福山・笠岡地域公共交通網形成計画についてお伺いします。

交通は、人やモノの交流や活動を支え、国民生活にとって欠かせないものですが、公共交通を取り巻く情勢は、少子高齢化や、人口減少などにより大きく変化しています。

 とりわけ、これまで住民の足となってきたバス路線の廃止により、「移動制約者」が増え、日常生活を困難にしています。

この背景には、道路運送法の改定による、事業の参入や撤退が自由にできるという、需給調整規制の撤廃があります。

 また、高速ツアーバス事故などの背景に、安全よりも「利益」を優先する「規制緩和」があったことも明らかとなっています。

 2月1日に行われた、公共交通に関わる講演会では、講師の小嶋光信氏は、「交通における規制緩和は失敗だった」と言及されていましたが、これまでの国の規制緩和策について、認識をお示し下さい。

 

次に、「福山・笠岡地域公共交通網形成計画」についてお伺いします。

 国民が安心して豊かな生活と人生を享受するためには、移動する権利を保障し行使することが欠かせません。

 これは「交通権」と呼ばれますが、交通権は、日本国憲法が保障した居住・移転の自由、生存権、幸福追求権など、関連する権利を集合した新しい人権です。

 同計画に、住民の移動の権利を守るための「交通権を保障する」と明記することが必要ですが、お考えをお示し下さい。

 全国市長会では、国に対して住民生活に密着した、地方バスの運行維持のため、「必要な予算確保と補助制度」の創設と、「必要な地方財政措置」を行う事を要望しています。しかし、十分な財源確保は、いまだ、実現していません。財源確保のため要望を強めることが必要です。

 また、フランスの事例など参考に、JRなど大手事業者等からの拠出による「地域公共交通を守る基金」の創設を求めます。

 ご所見をお示し下さい。

 公共交通は、「安全」に運行されることが大前提です。

 「基本方針」に、「安全」確保について、明記することを求めます。

 次に、再編についてお伺いします。

 同計画は、路線バスの運行・改善及び再編について、最低需要の基準を、「経常費用の15%以上の収益」と設定し、それ以下は、廃止や、乗合タクシーなどを導入すると記載しています。

 ところが、人口減少地域では、マンパワーが不足しています。

 コストの大きい大型バスに代わる、小型バスや乗合タクシーを行政と事業者の責任で運行し、住民に過度な負担を押し付けない方法で、公共交通を維持するべきです。ご所見をお示し下さい。

 次に、補助制度の拡充について伺います。

 「市民アンケート」では、「高齢者タクシー支援制度の拡充」を求める声が、95.5ポイントに達していました。

 この声に応え、制度の拡充が必要です。

 現在福山市は、75歳以上の市民税非課税者に、年間3000円分のバス・タクシー券を交付していますが、極めて不十分です。

 この制度を、所得制限なしで、65歳以上とし、路線バス廃止区域の高齢者には、金額を抜本的に増額することを求めるものです。

 以上についてご所見をお示し下さい。


答弁(市長)次に、福山の公共交通についてであります。まず、国の規制緩和策についてであります。

 道路運送法の改正は、1999年(平成11年)と、2000年(平成12年)に行われ、貸切バス事業や、乗合バス及びタクシー事業への参入が、免許制から許可制へ移行されました。

 この規制緩和策は、兢争を促進するとともに、輸送の安全や利用者利便の確保に関する措置を講ずることにより、利便性が高く、安全で安心なサービスの提供を図り、事業の活性化と発展を図ることを目的としたものと受け止めております。

 

 次に、「福山・笠岡地域公共交通網形成計画」についてであります。

 本市においては、これまでも、バス路線の廃止や減便への対策として、市民生活を支える交通手段の確保を図ることを目的に、2006年(平成18年)3月に、福山市生活バス交通利用促進計画を策定し、バス交通の利用促進等に取り組んでまいりました。

 2013年(平成25年)12月の、「交通政策基本法」の施行により、2014年(平成26年)5月、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が改正され、地域にとって望ましい公共交通網のすがたを明らかにするマスタープランとしての役割を果たすものとして、「地域公共交通網形成計画」の策定が位置づけられました。

 本計画は、「交通政策基本法」の基本理念である、交通機能の確保及び向上、安全の確保などを踏まえ、策定するものであり、住民の移動に関する考え方としましては、国、地方公共団体、交通事業者、住民その他の関係者が、連携・協働しながら、交通に関する施策を推進することとしております。

 次に、地域公共交通を確保・維持するための財源確保につきましては、全国市長会を通じ、国に対して要望を行っております。

 次に、路線バスの運行・改善及び再編についてであります。

 本計画に基づいて、路線バスの見直しを実施する場合は、市、交通事業者、沿線住民が協議しながら、地域特性や利用実態に見合った持続可能な移動手段への転換を検討することとしております。

 

 次に、おでかけ乗車券の助成制度の拡充についてであります。

 本制度は、高齢者に対し、敬老の意を表するとともに、生きがいを高めるために社会参加を促進する一助として交付しているものであり、引き続き、多くの高齢者に利用していただけるよう、取り組んでまいります。

6-② 川南土地区画整理事業について(2017年3月議会代表質問)

6.建設水道行政について   

 ② 川南土地区画整理事業について

土屋とものり:川南土地区画整理事業について伺います。

 同事業は1975年に事業計画が決定され42年が経過しました。

 2012年1月に、1回目の審議会委員選挙が実施されましたが、その後、5年間事業は全く進んでいません。

 任期満了に伴う、2回目の審議会委員選挙が、本年1月29日に実施の予定でした。しかし、審議会委員の立候補の人数が定数を上回らず、選挙は無投票となり、引き続き事業反対派が過半数を占める結果となりました。今回の結果の受け止めをお答えください。

 市は、昨年9月26日の本会議の我が党の質問に対し「審議会委員選挙の、その時の状況によって、これからのことも判断してやっていきたい」と述べています。事業反対派が過半数を占めたことは、当該事業そのものが住民から否定された事になると考えますが、お答えください。また改選後、初の審議会が2月14日に開催されましたが、土地を鑑定する評価員は選任されないままです。

 「住みよい郷土を造る会」のメンバーらは、「選挙の結果を深く受け止め、住民と一緒に考えるまちづくりに方向転換するべきだ」と主張しています。

 事業の白紙撤回を求めますが、ご所見をお示し下さい。

 また、区画整理事業撤回後のまちづくりに取り組むことを要望しますが、合わせてお答え下さい。


答弁(市長)

 土地区画整理事業は、日常生活や防災面、土地利用等の課題解決に向けて、道路を始め、公園や下水道等の都市基盤を整備し、宅地の利用増準を図ることのできる優れた整備手法であると考えております。

 このため選挙を行い、第2期の審議会が発足しましたが、「評価員の選任」は継続審議となりました。

 川南地区のまちづくりを進める上では、引き続き、この地区の抱える課題について、話合える土壌を維持していくことが必要であります。

 このため、審議会後に行われた協議会において、この地区のまちづくりについて、様々な角度から、議論が始められることとなりました。

 その議論の推移を注視してまいりたいと考えております。

6-①鞆の歴史的まちづくりについて(2017年3月議会代表質問)

6.建設水道行政について   

 ① 鞆の歴史的まちづくりについて

土屋とものり:鞆の歴史的まちづくりについてお伺いします。

 2月17日の文教経済委員会で、鞆町の歴史的町並みを保存するために、今後、鞆町伝統的建造物群保存地区の保存計画を策定することが報告されました。

 今後は、本年6月頃を目途に、保存計画を告示する予定です。

 鞆町は、古来、潮待ちの港町としてさかえ、多くの歴史遺産を、残しています。そのため、今回の保存計画の策定は重要な一歩となります。以上の点を踏まえ、次のことにお答えください。

 

 これから福山市は、8.6haの範囲について、保存方針、伝統的建造物の特定や、地区内の管理、防災施設、環境整備、助成措置などの計画を定めることになります。

 そして、文化庁へ計画を申し出、特に価値が高いと判断された地区が、重要伝統的建造物群保存地区に選定されます。

 選定後には、毎年、計画的に「修理」が進められます。 

 また、伝建建物以外の新築や増改築も、保存計画の基準に従い、「修景」工事が進められます。

 工事は、形式や意匠、工法、材料等を十分に検討し、伝統的建造物の場合は文化財建造物としての価値を維持・回復するように、それ以外の建造物は、歴史的風致と調和することが必要です。

 そのため、建造物の所有者と設計者、施工者、本市の文化財担当者が事前に十分に話し合いながら、工事計画を立てることが極めて重要です。

 現状では、市の学芸員などの専門家の体制は、2人とのことです。

 さらに、市の技師を含めて、鞆の重伝建の担当は計4人、とのことです。これでは、「世界遺産級」と称される鞆の浦の町並み保存の具体作業は、手薄すぎるのではありませんか。市の担当課へ、専従職員を配置するなど、万全の体制を構築することを求めます。

 また、専門的な技術をもった市内の施工業者の件数、現在の伝建建物の、補助制度活用の応募件数をお示し下さい。

 また、それに対応する申請・審査を終えるまでの時間は平均、何カ月必要なのか、お答えください。

 次に、災害対策について伺います。

 伝建地区内には、木造家屋が密集している上、これらがそのまま地区住民の生活の場でもあります。

 そのため、防災の備えは重要です。

 火災の備えのための、防火水槽や消火栓、自動火災報知器の設置や、防災センターなどの整備など、別途、防災計画の作成を求めますが、お答えください。 

 次に、伝建地区の管理についてです。

 鞆の重伝建地区では、今後、建築関係者、観光関係者、行政関係者をはじめ、様々な人々との協力が欠かせません。

 全国の他の伝建地区では、空き家を利用して、郷土資料等の展示機能や案内・交流などの機能を持たせた「町並保存センター」を整備しています。

 また、伝建地区を持つ自治体が加盟する伝建協(全国伝統的建造物群保存地区協議会)や全国町並み保存連盟に加盟し、先進事例の情報交換や町並みサミットなどを開催しているようです。

 管理・運営には地区住民が参画し、町並み保存センターを中核にして、イベントを開催したり、来訪者との交流会場や町並み保存の相談窓口としても活用しています。

 本市は、現在、拠点施設を整備していますが、ここを、町並み保存の拠点とし、積極的に支援することを求めます。

 次に地区内のサイン表示について伺います。

 道路や水路、駐車場などのオープンスペース、案内板や説明板などのサイン整備は、生活環境として不可欠なだけでなく、歴史的風致を形づくる重要な要素となります。

 そのため、整備は、安易な既製品や標準仕様ではなく、歴史的風致との調和が重要です。これらを進めるための、専門家や、建築士との緊密な連携が必要ですが、ご所見をお示し下さい。

 

 次に、住民合意と機運の醸成についてお伺いします。

 保存地区の整備を進めるには、地区住民を中心とした、多くの人々の活動が、積極的かつ自律的に進められる必要があります。

 全国の重伝建地区では、交流人口が増加することにより、地価下落を防ぎ、過疎化を食い止めている事例もあります。

 また、重伝建地区の選定により、固定資産税の免除や、有利な補助制度もあります。

 さらに、建築物の修景工事は、一定の補助金が支出され、さまざまな技術的援助もあります。

 保存会が設立された場合や、建築・行政関係者を含めた協議や相談の場の提供や、保存に努力された方々に対する顕彰措置などもあります。これらの、有利な制度を全て活用するとともに、情報を徹底的に周知し、丁寧に説明することを求めます。

 そのためには、文化財課や文化課など、関係部局が緊密に連携し、文化遺産を保存するための、きめ細かな対応を、積極的に果たすことが必要ですが、今後の方針をお示し下さい。

 2013年7月に、文教経済委員会で行政視察した、日本初の町並み保存をおこなった重伝建地区「妻籠宿(つまごじゅく)」では、「売らない、貸さない、こわさない」などの住民憲章をつくり、外部資本の参入を容易に認めていません。

 自主性を担保しつつ、このような情報も提供し、町並み保存へ積極的なイニシアチブを発揮することを求めます。

 次に範囲について伺います。

 今回は8.6haですが、この範囲外にも、貴重な伝建建物や、寺社、港湾施設などが多数存在しています。

 文教経済委員会では、今回の範囲外の伝建建物については、「今後、点で保存」するとのことでした。

 早急な対応を求めますが、将来的には、範囲の拡大も必要です。お考えをお示し下さい。

 次に港湾5点セットの国史跡指定についてです。

 雁木や焚場、常夜灯、波止、船番所の港湾施設が現存しているのは、全国でも鞆の浦だけです。

 これらが醸し出す景観は「国民共有の財産」と評されていますが、史跡指定はされていません。

 国の史跡に指定することを目指すべきですが、お考えをお示し下さい。

 以上について、それぞれお答えください。


答弁(教育長)

 鞆の町並み保存につきましては、専門資格を有する職員を中心に、計画的な整備事業の推進に努めており、今後も適正な人員配置を行う中で、着実に取組を進めてまいります。

 専門的な技術を持った市内の施工業者の数につきましては、広島県建築士会に登録されている歴史的建造物の保全・活用に携わる専門家が所属する事業所は、15社程度と把握しております。

 現在の伝統的建造物の補助制度活用の応募件数につきましては、約50件となっております。

 申請から審査を終えるまでに必要な時間につきましては、規模・内容も多様であるため、一概には言えませんが、3カ月から5カ月程度となっております。

 

 次に、災害対策についてであります。

 住民の皆様が安心して生活出来るよう、今後策定する「保存計画」の中に、防災計画策定の必要性を盛り込む予定であります。

 なお、今年度、保存地区の中心部に耐震性貯水槽を設置したところであります。

 拠点施設の整備につきましては、ワークショップでの議論を踏まえ、他市の事例も参考にしながら、住民や観光客が集い、にぎわいの創出ができる施設となるよう、整備に取り組んでまいります。

 サイン表示につきましては、伝統的建造物群保存地区保存審議会委員と連携し、町並みの景観に配慮した案内板や説明板等を適切な個所に設置してまいります。

 次に、住民合意と機運の醸成についてであります。

 これまで、市主催の相談会や説明会を開催するとともに、鞆の町並みの魅力を紹介する講演会の開催やパンフレットの作成等にも取り組んできたところであり、今後も、関係部局と連携し、住民の皆様と情報を共有してまいります。

 

 次に、保存地区の範囲についてであります。

 まずは、江戸時代、・明治時代などの古い建造物が密集して残り、港湾施設とともに港町の特徴をよく表わしている区域として現在、決定している保存地区8.6ヘクタールについて、保存計画を策定し、重伝建選定につなげてまいりたいと考えております。

 保存地区の拡大については、将来に向けた検討課題と考えております。

 次に、港湾5点セットの国史跡指定についてであります。

 現在、広島県が、老朽化した雁木の復元整備事業を行っておりますが、この整備と並行して、県と市が共同で発掘調査を行い、文化財としての価値を調査しているところです。

 他の港湾施設についても、広島県と協議しながら、引き続き、学術的な調査研究が必要であると考えております。

5.マイナンバー制度について(2017年3月議会代表質問)

5.マイナンバー制度について  

土屋とものり:マイナンバー制度について伺います。

 赤ちゃんからお年寄り、在日外国人まで、日本に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、その個人情報を国が管理するマイナンバー制度の本格運用から1年が経過しました。

 しかし、全国では、様々な事情で番号通知されていない世帯が100万件以上も残されたままです。番号を記載したカードを希望者に発行するシステムの障害や不具合が相次いでいます。

 今年2月、静岡県湖西市(こせいし)では、ふるさと納税を利用して寄付をした1992人分のマイナンバーを通知書に記載する際、別人の番号を誤って記入し、寄付者の住所地の自治体に送付したことが明らかになりました。マイナンバーは、国民の税と社会保障の情報を国が掌握し、徴税強化や社会保障給付の抑制の手段に使うことが導入の目的ですが、制度開始後も情報管理の問題など混乱が続いています。

 全国の自治体は、毎年5月になると、事業所で働く人が納める住民税の額などを記した「個人住民税特別徴収税額通知書」を事業所に送付しますが、マイナンバー制度を所管する総務省は、この「通知書」に、従業員の名前、住所に加え、新たに12桁のマイナンバーを記入する欄を設けました。

 この新たな通知書により大きな問題が発生します。当制度では、従業員は事業所からマイナンバーの提出を求められても拒否することが出来ます。

 しかし、「通知書」によって提出を拒否した従業員のマイナンバーが本人の承諾もなく事業所に伝わる事になります。

 また、通知書は普通郵便での郵送も可能であり、郵便受けに入れるだけの無防備なやり方では、マイナンバー、名前、住所、勤務先がセットで情報漏えいするという危険が増大します。 

 誤配送や盗難のリスク以外にも、マイナンバー管理者ではない職員が知らずに開封し、他人の番号を知ってしまうなどの取り扱い事故も懸念されます。

 市内のある事業主は「マイナンバー付きの書類が行政から一方的に郵送されても困る。書類や情報管理など責任は重く、番号を事業所に伝えること自体に意味がない」と指摘しています。

 本市は、マイナンバーを記載し普通郵便で事業所へ送付するとのことですが、情報の安全は担保されるのでしょうか、お答えください。

 

 通知書に特定個人情報を記載し、第3者に提供することは、「個人情報の自己コントロール権」を損なうとともに、憲法13条に規定しているプライバシー権を著しく侵害することになります。

 個人情報保護のためマイナンバーの記載は行うべきではありません。今後の本市の対応についてお答えください。

 また、国に対し、マイナンバーの記載の中止を要請することを求めます。

 さらに、このような危険なマイナンバー制度は中止するよう国に要望する事を求めますが、ご所見をお示し下さい。


答弁(市長)

 個人住民税に係る特別徴収税額通知書の情報の安全確保につきましては、地方税法や総務省通知等に基づき、適切な措置を講じております。

 特別徴収義務者用の税額通知書へのマイナンバーの記載につきましては、いわゆる「番号法」の規定により、市から特別徴収義務者へ提供することとなっております。

 マイナンバー制度は、「行政の効率化」、「利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」を目的とし、導入されたものです。

 本制度の目的が達成できるよう適切に運用してまいります。

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